2008年10月06日

ダメ深読み:悪の屠龍参謀編

 
リーゼスティ
「いいや、着眼点は悪くないな、シェリスエルネス・ワトソン! だが、異文化への興味が先走って一番重要なことを見落としている。キーワードは『事故にあった夫』、『再婚しない妻』だ。私の読みでは天井に隠し金庫の扉でもあるんだろうさ。妻が夫を愛していなかったなら、事故死させた証拠か、事故死させざるを得なかった理由が隠されている。夫への愛が本物だったなら……、そうだな、旦那は汚職の摘発をしようとして物的証拠を握り金庫に保管した。だが、志半ばで事故に見せかけて殺害され、無力な妻は秘密を一人で守っている、なんてのはどうだ? どちらにしろ恨みと未練が男を鬼魄にして夜な夜な家に、己には開けられぬ金庫の入り口をペタペタと踏……待て、貴様等を見る限り、夫が男とは限らんな? ……そうか、相手も女で一時は結婚を誓い合った仲だ。だが世間の理解を得られる筈もない。離れゆく最愛の者の心。情愛に狂った妻役の女は夫役の女を殺害し、事故に偽装した。その際に遺体の一部を持ち帰り、形見として金庫に保管。ハハ――ハハハッッ! 何ともロマンチックな話じゃないか!! そうだこれだ、これしかないぞ! 自分の身体の一部を返せと愛しい者の幽霊が、夜毎に憎悪に貌を歪めて慟哭と共に部屋を訪れてくる。プラトニック、ここに極まれり、だ!!」

シェリスエルネス「……茜」
ランセリィ「……お父さん」
茜「てっめぇら……、『あ、そういう関係もちょっといいな』みたいな目であたしを見んじゃねぇっ!!」
 
posted by 謡堂 at 18:32| ◆聊枕百物語