2009年05月25日

百物語・実話二 緑色のジム /謡堂

 
 子供の頃の話です。
 当時、私は百円で回せるSDガンダムのガチャポン集めに嵌っておりました。
 今ほど技術は発展していなく、彩色もされていなければ、関節が可動でもない、代わりに一カプセルに二つ入っているという古い品物です。
(興味のある方は「ガン消し」等のワードで画像検索すると、実物が見れるかも)

 そして、寝床の敷き布団の隣に適当な積み木を立てて石碑群のような舞台を用意して、その上に彼らを乗っけて戦わせる(脳内で)という高尚な遊びを嗜んでおりました。
 一つの柱に一人か二人、他の足場の連中と撃ち合いをさせるような感じで。
 近接武器しか持っていない人は、相手の足場までジャンプしていって斬り結ぶのです。

 その際に、常々不思議に思っていたことが一つ。

 朝起きてみると、決まって何体かの人形が、乗せていた積み木の上から床に落ちて転がっているのです。ちゃんと寝る前に、正義と悪のチームに分けて布陣させておいたにも関わらず。

 勿論、深夜工事や道路を通るトラックの振動、私の寝返りetc、人形が落ちる普通の理由は幾らでも挙げられます。が、空想癖のある子供としては、「人間が寝静まっている間に戦闘が行われた結果」に思えてなりませんでした。ガチャポン戦士よりも遙かに倒れ易そうな、縦にしていた足場の長方形のブロック等自体には、何事もありませんでしたしね。

 いっつも緑色のジムが落ちていたのも疑念に拍車をかけます。あのあんこ型の体型で頻繁に彼だけの重心が、ずれたり崩れたりするとも思えないのですが……。
 
posted by 謡堂 at 23:23| ◆聊枕百物語