2010年01月16日

百物語・抱き芋虫 /語り手知らず(怪集/2009、投稿)

 
 はい、いらっしゃいませ、奥様! 抱き芋虫をご所望でございますか?
 商品の陳列ハンガーはこちらになります。勿論、無排泄処理済みの。
 アハ、初見のお客様はここをご覧になると、少し怯んでおしまいになられるようですね。ずらり一面に大きな芋虫が吊されて、嫌がってくねっている光景は、確かに。ですが、ご心配には及びません。全て健康かつ活動的な個体ながら、噛んだりは致しませんよ。ほら、このように当店では轡を嵌めて販売いたしておりますので。必要な餌もそこから注入されますから、定期的に菜食パックの筒を取り替える以外のお手間は決して取らせません。
 サイズは如何なさいますか? 最近の研究では抱いて横になった時に膝を曲げられるくらいの丈が、姿勢が楽で良いとされているようですが。はい、Lサイズでございますね。
 硬さは……はい、逞しい抱き心地がお好み、と。
 ではこちらをお勧めいたします。両手両足を切り落としたジャパンの雄性、ボディビルダーの経験が少々ございまして、厚い胸板の感触は必ずお気に召して頂けるものと……。
 

・掲載ページ
 http://www.kaisyu.info/2009/list/86.html

○遺伝元
・最期のくちづけ (芋虫、繋がり)
 http://www.kaisyu.info/2009/list/52.html
・昆虫の定義 (昆虫の定義、繋がり)
 http://www.kaisyu.info/2009/list/63.html
・新説ミミズバーガー (イモムシと、都市伝説(こっちは達磨人間)、繋がり)
 http://www.kaisyu.info/2009/list/64.html

【備考】
 「肥後守」と繋げて、捕られた獲物の行く末の一つ、とした方が良かったかもしれない。
 既に岩底の雑蟲で繋げていたので、しなかったけれど。
 
posted by 謡堂 at 17:44| ◆聊枕百物語