2011年09月23日

改めまして、三章PDF版UPのご報告をば & クリノリンの話題

 
 励ましの御言葉等に胡座をかいて、随分と時間を使っておりましたが、DT三章PDF版、めでたくUP出来ております。

 クリノリンの構造は二週間ぐらいで出来ていて、後はひたすら、それが可能そうかの考察や資料収集と、明らかに責め役のスカートの構造描写なんぞ求めていない場面へ如何にしてソレを突っ込むかの推敲を、延々と続けておりました。
 まぁ、構造に関しては、不可能ではない、ぐらいの精度でよいと思うのですけども。

 ところで、唐突ですが、スクラッチ・クイズです。
 次のヨウドウ語を、一般的な日本語に翻訳すると、どのような意味になるでしょう?

『もう少しかかる = 一件の問題が解決されるまでかかる (←左クリック&スクロール)』

 ……。
 …………。
 ………………うん。
 キャラクターの描写 ≧ 読者への義理、が彼のジャスティスらしいんだ。
 震災以降、読者の存在を慮っているような文章が多かった気がするけれど、本性はこんなもんダヨ。
 『出来る限り近い内』にコメントフォームを設置するつもりだそうなので、その際に「石」と書いて送ってみるのはどうだろうか?

(ついでに気が向いて、ご感想等もございましたら、お聞かせ願えましたら幸いです。
 特に、追加した部分が違和感なく前後と繋がっているかなど、気になっておりますです。
 また、これまで既にご感想を下さった方々は、大変ありがとうございましたっ)


・クリノリンと藪蛇と、文字(二次)情報の限界と
 
 記事「う゛ ぬ゛ ぬ゛ ぬ゛ ぬ゛ (魔が堕ち4 DT)」('11 7/4)に関する補足と、自分の誤解の訂正なのですが、まずは補足から。
 実は「膝を崩して座った」り、「街灯に」「腰掛け」たり出来そうなクリノリンというのは、歴史上に存在していたようです。あえてアバウトに構造を述べると、フラフープを縦に並べて、布テープを何本か垂らして繋いだような感じ(おそらく、こんなの「http://xxxegxxx.shop-pro.jp/?pid=18420106」「http://pcw-corset.ocnk.net/product/22」)。
 なので、このタイプなら、縦の布テープの部分が柔らかければ、膝を崩して座ることも何かに腰掛けることも出来たんじゃないかな、と。
 ちなみに服飾史の本などによると、それまでスカートを大きく膨らませる為に何枚も重ね穿きしていたペチコート(アンダースカートの一種)がやたら嵩張って重かったので、フープなどを入れて軽量化を図ったのが、クリノリンの始まりなのだとか。

※参考文献
・西洋服飾発達史 現代編 / 丹野郁 著 / 光生館 / 1965年
(改訂版として、「服飾の世界史(本編・資料編の全二巻)/白水社or日本図書センター」有り。そちらは未読)
・西洋服飾史 図説編 / 丹野郁 編著 / 東京堂出版 / 2003年
・西洋服飾史 増訂版 / 丹野郁 編 / 東京堂出版 / 1999年
・[カラー版]世界服飾史 / 監修 深井晃子 / 美術出版社 / 1998年
・下着の誕生 ヴィクトリア朝の社会史 / 戸矢理衣奈 著 / 講談社選書メチエ / 2000年
 他諸々

(いかにも、「お前、『服飾史』で検索して出てきた本を読んでいっただけちゃうんか」、って風なラインナップですが、一応、あちこち歩き回って調べ直した結果です。見つけられた&読めた限りでは、類書に比べ、これらの本が一番クリノリン関係の記述が詳しかったかなと。そして、おそらく正道な物だと思われ。……もしも別に、クリノリンだけで一冊丸々使っているような、そのものずばりな本などをご存じでらしたら、宜しければ、こっそりと当方に教えてやって下さひませ。何卒。あ、後、小説の資料に良さげな本とかも(オイ))


 で、私はここを誤解していたのですが、鳥籠型の内、縦骨も横骨も硬いような総鉄製(便宜的に、こう呼びます)のタイプが、吊りテープ型(こちらも、便宜的に、こう呼びます)の発展進化系であるということは、特になかったようです。
 両者が混在して存在していて、参考文献に載っていた図の多さなどを見た感じ、どちらかというと、吊りテープ型が主流で、総鉄製の方がバリエーションの一つとして位置していたような印象を受けてみたり。
 私はてっきり、総鉄製がクリノリンの最終進化形だと勘違いしていたから、前の記事で吊りテープ型をガン無視して話を進めていた訳なのですね。「宅のヴュゾフィアンカちゃんは、古いモードのクリノリンなんか、身につけないのザーマス」ってなノリで。

 ……てことは何か。元の文章も、(本人に知識も吊りテープ型のつもりも無かった以上アウトではあるけれど)結果的には間違いではなかった訳か。「クリノリン」が吊りテープ型も(を?)指す言葉であった以上。
 つまり二重に恥を晒していた訳ですネーッ!! モットシッカリ調ベテカラ報告スレバ良カッタジャナイデスカァーッ! ヤダーッ! ……鬱過ぎる。

 「誤解してました。クリノリン、膝を崩して座れると思います(てへっ☆)」とでもして、その部分の修正はしないでとっととUPしようかとも考えましたが(※その時点で自動的に、ゾフィアのクリノリンは吊りテープ型ということになる。どんなタイプかの明確な表記はしていなかったので、普通にそれは可能)、どうにも吊りテープ型はヴュゾフィアンカに似合わない気がしてならなかったので(しゃがんだ時に、末広がりの提灯を畳んだような感じになるだろうのが、ちょっと……)、結局、あくまでも総鉄製を基準に押し通しました。
 後、ほら、ゾフィアが穿いているのはサーキュラー・スカート(縦にプリーツ[折り襞]が入っている)だから、吊りテープ型(横方向に硬くて、縦方向に柔らかい)だと、しゃがんだ時に向きが合わない気がしますですし。
 はたして、「縦骨が硬めで、横骨が柔らかめ」、というクリノリンが存在していたのかどうかは不明ですが、まぁ、実在しなくても(小説的には実在しない方が)良いのです。
 きっと魔界の服飾史は、人界とは違った発展経路を辿ったのでありましょう。


 ところで、総鉄製のクリノリンで「膝を崩して座った」り、「街灯に」「腰掛け」たりすることは無理そうとして、吊りテープ型のクリノリンでは、実際どうなのでしょう?
 可能前提で話をしておりましたが。
 苦心しながらも、腰掛けることは可能だったっぽいです(「下着の誕生 ヴィクトリア朝の社会史」P34-35、「服飾の歴史をたどる世界地図」P64 ※両方とも、吊りテープ型での話だという明記はないが、前後の流れから、そうだと考えるのが妥当と思われる?)。やっていた以上は、衣裳もそんなに傷まなかったと解釈して良いのでは、と。体重次第か。
 しかし、しゃがむことが出来たとの記述は、出典の明らか、明らかでないに関わらず、ネットも含めて一つも発見できず。(クリノリンを穿いていると)しゃがめなかったという記述はネット上に多かったものの、吊りテープ型での話だという明記は無し。
 結局、その部分の調べ物は不首尾・不明瞭でした。
 イージーに構造から推論するに、しゃがめておかしくなかったとは思いますけれど。
(そして、これ「http://xxxegxxx.shop-pro.jp/?pid=15891682」の最下段の写真なんかは、もう殆ど「膝を崩して座」れる根拠にしちゃっていいだろうと思うものの、内部の構造が分からない為に断言ができないという)
 ……博物館の収蔵品なり、現代の復刻品なりを、自分で触ったり穿いたりしてみれば一瞬で解決する疑問の為に、どうしてこんなに非効率的な方法で遠回りをしているんだろうと、ふと悩まないでもなく。

 つくづく、「百聞は一見に如かず」だということを思い知らされつつ、記事を終えます。
 ちなみに、だったら一見して来いよ、って話なのですが、実行しようとするとかなり金銭コストがかかりそうだったので、二の足を踏みました。
 うーむむ。ここまで書いてきたこと、間違ってないといいなぁ。
 
posted by 謡堂 at 02:48| 雑記