2023年09月19日

妲妃の作った肉餅(ハンバーグ)  (画像生成AIの無断学習について)

 
 現実は小説より奇なり。
 画像生成AIが世に出てきた時、それによる雇用問題が生じたり、人間の行うアートの意義を問う論争が起きたりぐらいのオーソドックスな事は想像しましたけれども、まさか、PIXIVがAI生成イラストで埋め尽くされたり、ネット上で絵描きさんへの暴言や嫌がらせが横行したりするなどとは思いもしませんでした。
 ……予想よりモラルが斜め下だったよう。

 ちなみに、どうも、我々絵心の無い人間(と言うとマイルドだが、要は、絵を描く努力をしてこなかった人間)に代わってAIがエロ絵を描いてくれるというような、そんないい物でもクリーンな物でも無いみたいですよ。

 立場によって言っていることや重視していることの違う話題ですが、私が「なるほど」と思ったり判断の根拠にしたりしているのは、下記の動画や記事などです。
 一応、紹介してみました。皆さんの方が、お詳しい? 関連事項へのリンクなども張られていますので、自分で調べたり裏を取ったりしたい方にも、オススメだと思います。


『反転アンチずんだもんが解説!~生成AIの闇に物申す~』
 https://www.youtube.com/watch?v=Dpk3HmMVPDw

『ずんだもんが5分で解説!~生成AIの実態~』 (↑の簡略版です)
 https://www.youtube.com/watch?v=0FPyLHppZMk

 長さは一時間近くあるものの、大変分かりやすく問題が纏められている動画です。
「イラスト生成AI」の何が問題視されているのか、どうして絵描きさん達が腹を立てているのか、知らなければ、こちらが参考になると思います。
 一つ一つの話題は簡潔に纏められているにも関わらず、時間が増えてしまっているということは、それだけ根が深くて影響が多岐に渡っているということなのでありましょう。


『【AIについて考えるシリーズ】技術とクリエイター【第2回】』  (シリーズ更新中)
 https://www.nicovideo.jp/watch/sm42655020

 生成AIについて、ご本人が調べたことを咀嚼して、動画形式で教えて下さっているシリーズです。
 上にリンクを張った回では、主に、Stable Diffusion登場以降、今日に至るまでの経緯が解説されています(ただし、「つっても私は詳しく無いので、適当な所から拾ってきたネタになります」「正確性は知らんので話半分でよろしこ」とのこと)。
 全体的に、話題が広くて、とても勉強になります。 m(_ _)m


『WEB+DB PRESS Vol.134 /技術評論社』
 https://gihyo.jp/magazine/wdpress/archive/2023/vol134

 拡散モデルという生成方式について、肯定でも否定でもなく、純粋に仕組みを解説している記事が載っています。
 機械学習のさせ方ではなく、生成ボタンを押してプロンプトを送った後に、内部でどのような処理が行われているのかの説明がメインです。

 技術系の雑誌だけあって、言い回しが肯定寄りに感じたりはしますが、変な暴言・煽りなどはありませんので、安心して読めると思います。
 ……img2imgというのは、「元絵にノイズをぶちまけた後に、そのノイズを除去して、微妙に違う絵を生成する行為」という理解でいいのかしらん? うん、それを他人の絵に対して行うのは、二重の意味で失礼だ。


『生成AIはなぜ嫌われるのか?』
 https://note.com/canchanandme/n/n14741bd914a3

『AIイラストユーザーが誰も語らない「データセットの闇」と「搾取構造」』
 https://note.com/canchanandme/n/n47713a6eae1a

 生成AIの問題について訴えていらっしゃる方のnoteです。
 機械学習に用いられたデータセットやLAION-5Bとは、どんなものなのか? ということについて、一番目のnoteの最初の方で解説されています。
 二番目のnoteは、最初の警告画像がおどろおどろしいですが、データセットに関する別口のソース集のような感じです。

 一番目の全体の趣旨としては、生成AIが引き起こしている問題・被害を、国内外の事例を交えて網羅的に紹介している、という感じになるのかと思います。
 リアル(三次元)に対する被害も既に起きていて、最初、アニメ・ゲーム制作の効率化や二次元イラスト中心の問題だと思っていた自分の認識の甘さ、不見識を恥じるばかりです。


 さて、私が何を主張した所で「DT4章、はよ書けや(プゲラ)」「何ならChatGPTで代わりに書いてやろうか?(ギャハハ)」で論破(?)されてしまうので、あまり語るつもりは無いのですが、おそらく知識が無いが故に無神経な言動になってしまっているのであろうケースを、非オタ・オタク問わず多々見かけてしまったもので、そういった状況の改善へ何かの足しになればと思い、注意喚起と情報への誘導だけさせて頂きました。

 また、これを読んでいる貴方が、どんな物だか触ってみるのを止めはしませんけれども、その生成物を表に出すのは、背景を理解した上で慎重に考えた方が良いかと思います。
 
posted by 謡堂 at 03:28| 雑記

とか言いつつ語る  1/3

 
◆聞こえの良いことだけ言う輩は信用出来ないという話
 
 さて、プラスチック製品が世に出てきた時、自然分解されない物質を自然界にゴミとして捨てることへの懸念の声はありました。巡り巡って、それは今、海洋マイクロプラスチック汚染の問題になっています。
 報道などで皆さんもよくご存じの通り、原子力発電所に対して、津波による被害や全電源喪失を心配する声はありました。技術的に可能であるにも関わらず(防波堤や、コアキャッチャーに類する静的安全システムなど)、それらへの対策を怠った結果、我々は東日本大震災で、追加の甚大な被害を受けることになりました。

 何が言いたいのかと申しますと、
・技術の問題点を指摘されても、導入して利益を得たい側・得ている側は、それを軽視・無視しがち(指摘を受け入れて導入されなくなったら困るし、対策を講じれば、その分の手間で利益が減るし)。
・指摘されていた問題は、大抵、後で形になる。
・被害を受けるのも、対策に追われるのも、問題を放置していたのとは別の人間達。
 ということです。

 ここまで大げさな事例を挙げずとも、ご家庭におけるペット問題を例に考えるのでもいいです。
・「お母さん、犬、飼いたい!」
・「散歩とかの世話、どんすんの。途中で投げ出さない?」「僕、ちゃんとやるよ!」
・→結局、僕君は途中で投げ出して、世話は全て、お母さんがやることに。彼は、犬を飼い始めた当初だけ、撫でたり散歩させたり楽しんで(利益を得て)、関心を失った後でも継続的に発生する面倒な世話は、お母さんに丸投げです。

 今度は話を矮小化させ過ぎでしょうか? 結局、ミクロでもマクロでも、欲が絡んだ場合に人間のやることは、無責任になるってことです。

 画像生成AIが、もし本当に利益を生んで広がっていくものならば、現在起きている被害や、予想されている悪影響は、今後拡大するなり、予想を超えるなりして、深刻化することでしょう。正直、野放しにされた場合どうなるか、見当も付きません。銃が産まれた時代の人達が、子供が学校で乱射する所までは、想像出来ていたとは考え難いように。
 はたして、いじめの道具になるのか、反社会勢力の資金源になるのか、はたまた、石恵先生とビビッドアーミーの裁判(になるかは現時点では分かりませんが)の結果によっては、他社の看板イラストレーターの絵柄を画像生成AIに学習させて利用し合う、出版社・ゲーム会社間の戦争時代でも到来するのか。
 頼まれもしないのに悪用コンテストをやっている人達がいるからなぁ……。

 話を最初の例に戻しますと、プラスチックの流通や原子力発電の安全対策で、もう少し何らかの手が打たれていれば、後の苦労は大分減っただろうというのは、結果論でしょうか?
 しかし、少なくとも無断学習・盗用AIに関する指摘や、規制方法を始めとする対策案は、現在、数多く出されています。推進者にしても、今よりも大きく社会問題化した後で、知らなかった、想定外だった、と言い訳が出来る状況ではありません(そうかな? ここは日本だ…… orz)。
 将来に禍根を残さない為にも、誕生当時で色々と変更の利く今、検証や対策が行われるべきだと思います。



◆技術の発展には制約も含まれているという話
 
 スマホに撮影機能があるからといって、何でも写真に収めていい訳ではなく、それで道行く女性の歩く姿やスカートの中を撮影したら、盗撮です(法律による使用方法の規制)。ちなみに、これまで取り締まりの根拠になっていた自治体ごとの条例に加え、今は「撮影罪(性的姿態等撮影罪)」も出来ました。「けしからん!」という社会の声に押されて、新しく罪が規定された例でもあります。
 自動車はレーシングカーともなれば時速300kmを優に超えることが出来ますが、そんな速度で町中を走られて激突したり人を撥ねたりされては困るので、普通車は、もっと速度の出ない造りです。そして、道路交通法によって、様々な規則もあれば、道路での制限速度も決まっています(性能の制限+法律による使用方法の規制)。
 日本でアメリカのような銃乱射事件が起き難いのは、銃刀法で厳しく規制されているからです(社会から捨てることは出来ないが、濫用されても困る道具の対応例)。
 ランサムウェアは技術としては凄いのでしょうけれども、日本経済の発展を願ってその製法をばらまく輩がいたら、ウィルス罪(不正指令電磁的記録に関する罪)で配布者も使用者も逮捕されることでしょう(技術その物が「悪」と見做されている例)。

 事程左様(ことほどさよう)に、技術や道具という物は、研究室・開発室から出た時点で、もう好き勝手に振る舞うことは出来ないものなのです。
 その存在は宝石だったとしても、社会に害を与えないように適切な制約(宝石のカット)を受け入れたり、適応した形に変化したりしなければ、安定した環境を手に入れて、より輝き発達することは、出来ないのではないかと思います。
 将来、画像生成AI(もしくは、無断学習盗用生成AI)が、既存の技術・道具のどこら辺と同列に扱われていくかは分かりません。しかし、「つまらない規制で技術の発展を阻害するな」というご意見の方は、「急がば回れ」という言葉も心に留めておいて頂ければと思います。
 分野こそ違いますが、(人間の手による)官能関係作品という宝石も、R18マークを付けたり、売り場を一般作品と分けたり(ゾーニング)して社会へ恭順の意を示しているからこそ、存在を許されている訳ですし。
 もっと卑近な例を挙げるなら、もしも自動運転の技術が歩行者への安全対策を行っておらず、「だが、これを使わないと流通問題を解決出来ず、諸外国に経済競争で負ける」と強弁したとして、はたして日本社会から受け入れられるのかどうか、考えてみて下さい。

 ……と、説得するようなことを書いてはみたものの、強めな所で「クリーンなデータで1から学習のし直し」「児ポもどき・フェイクポルノを生成できないように、二次元三次元を問わぬアダルト表現の生成能力のオミット」「権利侵害を起こさないようにLoRAの読み込み不可」辺りを要求された場合、何が残るんだって気はします。「こういう方法でこういう物を開発できた」「世に出したら、こういうことが起きた」という記録以外に。同情では無いです。「需要の傾向を鑑みるに、やっぱりこれはランサムウェアの仲間なんじゃないのか?」という懐疑の念です。
 いっそフェイク画像・嫌がらせ関連の機能を高めて軍用(?)の道へでも進めば、技術への制限は限りなく0に近づくと思いますが、どのみち民間人がおいそれと使える物ではなくなりますね。
 
posted by 謡堂 at 03:13| 雑記

とか言いつつ語る  2/3

 
◆絵師LoRAの法規制に関する一考察

※ここで語るLoRAは、全て非公式の海賊版のLoRAです。
※私の認識が間違っているかもしれませんが、LoRAという物は、大規模サイトなどに公然とアップロードされ、制作者以外へ配布されていくものだと捉えています。
※権利者が、版権キャラのLoRAを禁止したがっていることが前提です。
※権利者が、版権キャラのLoRAの存在を許容している場合は、この項目は間違いですので、読み飛ばして下さい。

 ところで絵師LoRAって認めると(法規制出来ないと)、版権キャラLoRA配布の抜け道・隠れ蓑になりませんかね? 作る仕組みも配布経路も同じですよね?
 今は馬鹿正直にキャラ名をつけていて侵害の状況も分かりやすいLoRAが、訴えられるリスクを避ける為に、架空の絵師名や隠語を使って配布されるようになるのです。
 技術的に可能かは分かりませんが、絵師のLoRAを装いつつ、特定のプロンプトを入力すると、版権キャラLoRAとして働くとか。いちいち使ってみて、似ている物が出力されるか調べないと、取り締まれなくなりそうな。

 他人のイラストを読み込ませないと作れないLoRAなんて無断学習・盗用の温床なのですから、面倒が無いように全て禁止でいいのでは?
 そもそも、LoRAが配布出来ること自体が、まずおかしいんですが。
 よく、人間の学習と同じだなんて擁護されていますけども、学習の成り立ちが違うのもさることながら、人間が努力によって身につけた技能は、たとえ上辺だけの劣化したものであっても、不特定多数の他者へ配布したりは出来ません。
 せめて、全く別の物として、別のルールが必要なのではないかと思います。

 絵師LoRA、オタクは思わず、モビルドール・システムかよって茶化しちゃうのですが、やられている方は堪ったもんじゃないですね。



◆版権キャラのLoRAは、個人利用ですら許すべきでは無い、という話

※ここで語るLoRAは、全て非公式の海賊版のLoRAです。

※人間の行う二次創作との違いについて
 個人が二次創作を行う技能を習得して、一個人の生産力で二次創作活動を行うことと、その技能を上辺だけ模倣して不特定多数へ配布するLoRAは、根本的に違う現象だと考えています。
 
 また、規模について比較するならば、人間達が画像生成AIを介さずに行う二次創作活動と、画像生成AIを利用する人間達が版権キャラのLoRAを用いて行う生成行為は、図書館と、ネット上の違法アップロードのような関係が当てはまるのではないかと考えています。
 地域毎の図書館に一冊ずつ本があって、地域の住民が順番に借りていけるのと、ネット上のサイトから不特定多数が無制限にダウンロードして永遠に所有していけるのとでは、売り上げへの影響規模が桁違いで、後者は禁止されざる得ないでしょう。

 図書館も無垢な立場では無く、出版物の売り上げに悪影響があるという批判や、新刊を入れるのは遅らせてくれという対策を求める声があります。その上で、存在の効用が認められるなどして、良く言えば慣習によって、悪く言えば、なぁなぁで、存在を許されてきました。今後、状況によっては図書館も、収集や貸し出しに何らかの制限を受けるかもしれません。しかし、ネット上の違法アップロードについては、影響規模がラインを超えているので、既に禁止されている訳です。

 そして、版権キャラのLoRAは、書籍におけるネット上の違法アップロード並に悪質なので、個人利用すら許すべきでは無い、というのが、この項の主張になります。
 人間が画像生成AIを介さずに行う二次創作についても種々の意見はございましょうが、この項では触れません。



 さて、私のアンテナが低い所為で、ゲーム・アニメ会社などの権利者の大勢として、自社の版権キャラのLoRAについてどう考えているのか分からなかったので、個人の意見を述べておきます。
 流石に常識でしょうか? 世間で語られていないのが、自明過ぎて誰も言わないだけだったりしたら、この項は読み飛ばして下さい。

 私が具体例を挙げられるのは、主にネットゲームについてです。


【状況の想定】
 合法になったのか、放置されているのか、ネット上に版権キャラのLoRAが存在していて、個人での利用が許されている(罰されない、取り締まられない)。


 既に、FANZAのアダルト・ネットゲームのキャラのLoRAは、存在します。
 仮定では無く、本当に。現実に。

 んで、それを使って個人が自由にエロ画像を生成することが横行した場合、エロCG目当てにガチャを回す人は、どのくらい残るんでしょうか?
 最近ではRVCとやらで、好きなエロ音声も付けられるそうですね。

 ガチャの値段が適正かについては、意見が分かれる所でしょう。しかし、運営の付けた値段にユーザーが応じるか否かの価格交渉をしている所へ、第三者が無料か格安で海賊版を流すような行為が許されるのです。困ったことに、公式な絵柄からの変化は「二次創作」の個性として許容される上に、変化しているからこそ同一ではないとして、裁判で争う根拠にもなるのかもしれません。「ロッチ」が「ロッテ」では無いから権利侵害では無いと言い張る感じです(ビックリマンネタです。分かりますか?)

 一般ネットゲームの着せ替えガチャや着せ替えスキンについて夢のある(?)話をするならば、ゲームの仮想ホーム画面に好きなキャラクターを(公式にも実装されていない)好きな衣装で立たせて好きなボイスを喋らせるぐらいのことは、もう可能でしょう。

 アニメに話を向けるなら、アクリルスタンドやトレカといった、一枚のイラストに依拠しているようなグッズは、個人で画像を生成し、素材を加工して組み込み、自作することが可能かもしれません。
 AI生成画像は、本家のイラストより質が落ちるかもしれません。しかし、自分だけが得られた無二の絵であるという錯覚や、素材を加工した苦労を加味した場合、本人の愛着において正式版に劣るものでしょうか?

 無断学習・盗用仲間の音声についても、セールストークをさせて下さい。
 アニメのキャラソンが自分好みでなくて残念でしたか? では音声合成AIにキャラ声を(無断で)学習させた上で、別の歌を歌わせてみましょう。そもそもキャスティングに、ご不満がある? それならば、別の声優さんの(無断)学習モデルをチューニングして別CVバージョンとしてUPしてみては如何でしょうか。大丈夫大丈夫、(取り締まる法律が無いので)合法です。どんどん活用して、技術の発展に貢献して下さい!

(……書いていて思ったんですが、生成AIのセールストークをするのは楽ですね。既存の作品に対する不満を並べて、それは生成AIで解決出来る! と謳えばいいだけですから。本当に良いことを書いている気にすらなってきます。上の物言いで傷ついた方がいらっしゃいましたら、誠に申し訳ございません。
 解決した先に何があるか? さぁ、私は命じられた仕事をしているだけですので……。
 逆に、生成AIの無断学習・盗用などの悪用について批判していると、既存の作品への不満点を我慢し続けろという主張にも繋がっていって心苦しくなる謎現象。ワタシハトクニネー)

 さて、このように、全てが無料か格安で賄え、更に自分好みにカスタム出来る状態で、公式の「押しつけてきた」データにお金を支払うものでしょうか?
 ネトゲをサ終するまで無課金で遊び尽くしても恥じない、アニメを見るだけ見て円盤を買わない、YouTubeでMVを視聴して其処で終わる、そもそも物価高で振る袖の無い、我々ユーザーです。一度、無料に近い版権キャラLoRA他の味を覚えてしまったなら、コンテンツにお金を払うなんて「悪しき」「古い」習慣を維持出来るものでしょうか? 本当に?

 再び、アダルト・ネットゲームのガチャを例に出してみます。
 フタナリ凌辱シーンのあるキャラでしか回さない人間が、居たとしましょう。そのゲームの版権キャラLoRA達と出会い、フタナリ画像を生成しまくっていて、さぁ、公式がキャラAのフタナリ凌辱シーンのある着せ替えガチャを出してきました。手元に、キャラAのLoRAはあります。絵柄、公式とは違うけれど、気に入っています。公式ガチャの当たる確率は1%、当てるには無料石に加えて課金が必要そう。
 ……どうします?

 威勢のいいことを言っている私だって、使っていいなら、堕落してお相伴に預からせて頂きたい所です。サ終してしまったネトゲのホーム画面を再現&発展させ、一人でニマニマ楽しみたいです。

 が、駄目でしょ、これ。
 こんなん認めていたら、コンテンツ産業は、まともに育ちます? ここから、どのような形で経済は活性化するのでしょうか? まさか、生成AI用のデータの配布で小遣い稼ぎをする人間の増加と、企業的な規模の収益低下が、バーター出来る訳ではありませんよね?
 私の「サ終してしまったネトゲのホーム画面を再現&発展させたい」という一見侵害の少なそうな願望だって、実現してしまったら、そちらに付きっきりで新しくネトゲを始める数が減って、課金の機会も減ります。

 私の杞憂なら幸いです。実際、その方が気分が楽です。

 一応、杞憂を続けますと、逆に、この状態から企業・運営は、無断学習・盗用ばっちりの画像生成AI等を活用したとしても、どうすれば脱却できるのでしょうか? 魅力的なキャラを産んでも、スター声優を育てても、人気の出た傍から版権キャラLoRAや非公式な音声学習モデルによってフリー素材にされていくような状況です。無理ゲーなのでは?
 仮に、生成AIの学習機能を使ってクリエイターを買い叩き、安く素材を揃えられたとしても、そこからどんな商品やサービスを作れば、経済的に勝てるのでしょう? (というか、企業側がそういうことをすると、ますますユーザー側も無断学習・盗用していいもんだと思っていくと思うので、それは止めた方がいいと思いますが……)

 別に不幸を願っている訳では無いですので、新しいビジネスモデルが構築されるなら、それはそれで結構なことだと思います。
 公式キャラLoRAって、ガチャより収益の上がるものなのでしょうか。
 公式のキャラ声ボーカロイド、兼、ボイスロイド……需要はあるかもしれませんが、嫌いな声優の演技に被せてネットにUPするような行為は、禁止にしておいた方が良いかもです。
 ……ハッ……ポケモンの……サンゴちゃんの…………いえ、何でもありません。

 ケチを付けるだけなのも感じ悪いですので、自分の貧困な発想でもネタ出ししてみるならば――、画像生成AIをゲームに組み込んで、手に入れたプロンプトでキャラの好きなエロ絵をゲット出来るようにしてみたり?
 美少女相手のボス戦でバッドステータス(触手拘束とか催眠とか)を付与しながら勝つと、それに応じたプロンプトでエロCGが生成され、入手出来る感じです。気に入るHCGが出るまで周回だ! みたいな。ガチャでのキャラゲット=そのキャラの版権LoRAのゲーム内での使用権ゲット、みたいな。
 レアキャラやレア武器は、スキルで特殊属性のバステ(フタナリとか腹ボテとか)を付与出来るのです。
 ゲーム内の非課金通貨を投じて「地下室」で画像生成出来るけど、課金石(リアルマネー)を投じると、更に画質や大きさ、一度に反映可能なプロンプト数が上がるよ、という仕様の是非を巡って荒れる感じです。
 ……まぁ、自分がやってみたいだけですけども。もっとも、外部の画像生成AIで自由に出来ることですし、版権キャラLoRAが放置されている状態では、わざわざ面倒臭いゲームをする必要は無いですね。

 何をするにしても、海賊版の版権キャラLoRAは絶対邪魔者だろうということは、申し上げておきたいです。全ては、無断学習・盗用の問題に帰結します。公式キャラLoRAのデータすら、無断学習・盗用しまくりの海賊版に吸われてしまうことでしょう(『反転アンチずんだもんが解説!~生成AIの闇に物申す~』(30:45辺り)の受け売りです。でも、実際にそうなると思います)。
 今後、日本のコンテンツ産業が発展していく上で、画像生成AI等の無断学習・盗用、及び、版権キャラの海賊版LoRAなどは、全く害にしかならないと思いますので、何とかして規制するか、自分達が支配出来ている形で収益構造に組み込むか、していく必要があるだろうと、軽輩の身ながら具申する次第でございます。


 気がついたら、あんなもんがばらまかれていて、世の中が一変していて、恐ろしい限りです。

 絵師LoRAにしても、版権キャラLoRAにしても、
 賞賛している方々は、「アートの民主化」だなんて仰ってますけども。
 それは元々、「富裕層以外の人々も美術館に呼び込もう」ぐらいの意味だった筈なんですけども。
 大分、変質した使い方をなさっていらっしゃいますけども。

 実際にやろうとしていることは、コンテンツの強制共有、デジタル共産主義なのではないですか?
 それが上手くいかないことは、既に歴史が証明していますよね。

 日本全国のスーパーから品物を勝手に取って行っていいなら、得する人は沢山居るでしょう。それによって豪華になった食卓がSNSにアップされたり、食材をふんだんに使ったアレンジ・レシピがネットに投稿されたりして、一時的に世の中が景気良くなったようにすら見えるかもしれません。
 しかし、持って行かれたスーパーは潰れます。その後、どうするんでしょうか。潰れることが分かっていて出店してくる、聖人みたいなスーパーなんてありゃしませんが。
 新しいビジネスモデルを構築できないスーパーが悪いのですかね?

 流石に、どこかの段階で自制が働き、揺り戻しが起きると信じたい所です。
 
posted by 謡堂 at 02:18| 雑記

とか言いつつ語る  3/3

 
◆「合法、脱法、違法」✕「道徳、感情」✕「金儲け」=???
 
 言われるまでも無く分かっている方が大半かと思いますが、触れないと据わりが悪いので、触れておきます。
 なお、「脱法」の概念につきましては、脱法ハーブ、脱法ドラッグ、などで検索してみてください。本職(?)の方々の分かりやすい説明や警告が沢山出てくると思います。
 法規制が追いついていないだけの、麻薬っぽい危険な薬物を示すのに使われる言葉です。
「(取り締まる法律が無いから)合法ですよー」「(罰されないので)大丈夫ですよー」と売りつけられた所で、安全安心である保証は全くありません。
 ……何かと似ていますね?

 さて、法律と道徳(感情に由来する人間の不文律?)は車の両輪のような所があって、社会の道徳心を育む為に法律が制定されることもあれば、社会の道徳心に影響されて、それに沿うように法律が改訂されることもありましょう。
 人間社会は、道徳Aと道徳B、他、が常に多数派工作をしているようなもので、良くも悪くも法律は変わっていきます。

 今は、画像生成AIの無断学習・盗用に好き放題にやられていた人間達が反撃で法規制などを求める逆襲タイムに入っているように見えますが、今後、画像生成AIの利用者が増えていったら、逆にそちら側に有利なように法律が変わっていく可能性もあります。

 そうなった場合でも、無断学習・盗用ぐらいは「悪いこと」の分類で括られ、海賊版LoRAの利用者が「割れ厨」「転売屋」辺りと同列に語られる程度には、著作権・肖像権に理解のある社会の存続を祈るばかりです。

 その方が、経済的にも得な筈です。各種生成AIは、日本が経済的利益を得る為に導入が推進されているのだと思いますが、作品・コンテンツから収益が上がるのは、それに著作権が認められ、他者に勝手に利用されないからこそ、なのですから。

 ……ちょっと大げさな事を言うと、コンテンツ経済や文化、及び道徳を殺す麻薬か何かのように見えるんですよね、今の状態の画像生成AI。
 そこら辺を上手く制御・規制出来た所の方が、勝ち組になれるんじゃないかなぁ……。



◆ユーザーの求めている物
 
 私なんぞが商品のターゲット層なのかは分かりませんが、一消費者として言わせて頂くならば、道具に求めている一番の要素は、「使っても後ろ指を指されないクリーンな物」です。
 よく切れる鋏でも、盗品ならいらないです。

 どうも、現状の画像生成AIを賞賛している方々は、この観点がすっぽり抜け落ちているように思います。
 種々の問題を抱えたまま、活用をごり押ししてトラブルになり続けるよりも、せめてクリーンなデータで1から学習をし直すなどしてリスクを解決した方が、普及は早くないでしょうか? 今のままだと、最悪、アングラ・ツール行きになる気がします。

 まぁ、嫌なら使うな、そんな労力をかけて作り直しは出来ない、ってんなら、それはそれでいいです。
 私にとっては、無ければ無いで済んでいくものなので、商品売り場から離れます。


・補足の気取った物言い
 分かるかなぁ。二次元美少女が触手に絡みつかれているようなカワイソウな絵や文章でしかヌけないんだけど、現実の女性や子供や絵描きさんが可哀想なのは萎えて使い物にならないんだ。
 それが触手の仁義であり、ジャスティスなんだ。



◆「児童ポルノを利用することも、そこから利益を得ることも許さない」という姿勢は、絶対的に正しいという話
 
 最後に、悲観全開な上に、性表現規制の話になって論点がばらけるので最初の項から分けた、悪い予測を、もう一つ。

 (他の画像に目をつむったとしても)児童ポルノが含まれているデータセットで学習を行ったと批判されている画像生成AIの利用が、二次元系の創作作品で普通になった場合、二次元と三次元の壁が破壊されるような気がしますね。悪い意味で。

 つまり性表現の規制派から「生成物に三次元画像・児童ポルノ由来の要素が混ざっていることを否定出来ない」「オタクは児ポを使って二次元(っぽく見えるだけで三次元と繋がりがある)エロ画像を大量生産している!」なんて難癖(ではないのかも……)を付けられ、性表現の規制や禁止のキャンペーンを張られる訳です。
 勝ち目は無いです。だって、「児童ポルノを利用することも、そこから利益を得ることも許さない」という姿勢は、絶対的に正しいんですもの。私らの、二次エロ作品を作りたい、二次エロ作品を見たいという願望よりも。実際にデータセットに含まれている量のパーセンテージだとか、出力結果に、本当にその要素が含まれているのか、なんて議論は、吹っ飛ぶくらいに。
 これに関しては、初手の初手でボタンの掛け違いをした画像生成AIが悪いとしか言いようがありません。規制派の動機が善意であれ、悪意であれ、正義は向こうにあります。
 画像生成AIを使っていない作品も沢山ある? 使い方が高度になってオタクですら判別の難しい物を、いちいち選別してやる義理は無いです。纏めて禁止だ禁止。マーケットから消えろ。……児ポ擁護者扱いされながら、これに反論できる言葉は、お持ちですか? 同じ画像生成AIから三次元っぽい画像も出力出来ることを、どう説明しましょうか?

 現在の画像生成AIを使うということは、これまで、二次元と三次元は別物、水と油だから混じらない、別々のレギュレーションが適用されるべき、そこに浮かんでいる油だけ掬って捨ててくれ、と主張していた所へ、洗剤を垂らして攪拌するような行為なのだと思います。濁った汚い水が出来上がるので、油汚れとして、纏めて捨てられるのです。
 もしも、自分達の主張を崩す毒を自分達で飲んでしまったなら、死ぬしか無いです。

 悲観に悲観を重ねるならば、仮に導入が一般作品だけに留まって、二次エロ系が自制して使わなかった場合でも、矛先は二次エロ作品に向かうのでしょうね。迷惑なことに。もしくは、推進に熱心な誰かさん達に確信犯的にスケープゴートとして差し出されるかして。
 そうなっても物書きには関係無い……無いかな? 煽りを受けて文章も規制されそうな気がする……。少なくとも、表紙や挿絵、CGが付くような作品は、売り上げや内容への影響を免れないんじゃないかな。



 以上、自分がまだ生きていると思っている死者からの忠言でした。
 
posted by 謡堂 at 01:39| 雑記

2023年02月17日

ヴュゾフィアンカ・バッドニュース  2023 02/17

 
・良いお知らせ
 魔界とは何ぞや? ということが気になって、ずっと考え続けていたのですが、
 この度、めでたく真理に到達することが出来ました。

 つまり、この世は、ヤキナ・オブゼが創ったのです。

・悪いお知らせ
 私は正気です。
 
posted by 謡堂 at 13:20| 雑記

2018年11月20日

ヴュゾフィアンカ・バッドニュース ‘18 11/20

 
・良いお知らせ
 やるやる詐欺じゃ無かった……!

 お待たせしております「魔が堕ちる夜4 第四章 前編」の「冒頭、ランセリィがクリピン・オナニーを終えるまで」が完成しましたので、とりあえず、そこまでの部分をアップしました。

 冒頭ではありますが、行為としては完結しておりますし、分量も40字×36行換算で25ページ程ありますので、これ単体でも実用性はあると思っております。
 果たして、お待たせした長さに見合う出来なのかにつきましては、色々と予防線を張りたい所ではありますが、読む方(かた)の方(ほう)がよっぽどおっかなびっくりでしょうので、止めておきませう。

・悪いお知らせ
 え。つまり、真面目にやっていて、こんなに時間が掛かったんですか?

 前編全体の完成、今年中とか大見得を切っておりますねぇ。
(しかし、断言を避けている辺りに、姑息さを感じる……)
 せめて、今冬とか言っておけば良かったかな……(弱気)。

※今後の予定
 続きの「ミーティの緊縛凌辱(ランセリィを縛り終えるまで)」を、このブログで公開します。
 残りの「緊縛状態のランセリィへの、ギルバによる特効触手凌辱」の公開を、どういう形式で行うかは、悩み中です。
 まぁ、まずは、完成させてから考えようかな、と。
 
posted by 謡堂 at 07:18| 雑記

2018年03月29日

進捗報告と場繋ぎ  2018 03/29

 
 随分と長くお待たせしております「魔が堕ちる夜4 デーモニック タイラント  四章 前編」は、現在、通読しながら直す、締めの段階に入っております。
 いくらなんでも、今年中にはお届け出来るんじゃないかと思っております。

 という報告だけなのも申し訳無いですので、WVNの追加データをUPしておきます。
 遠距離攻撃関連の標準的な強さのカード群と、補助カードのシートセットです。
 シェリスエルネスのデータの方は、魔属性をどの程度、数値的に優遇するかで悩んで、難航しております。
 案ずるより産むが易し、とも言いますけども。
 
posted by 謡堂 at 19:39| 雑記

2016年11月17日

ヴュゾフィアンカ・バッドニュース '16 11/17

 
・良いお知らせ
 以前に予告しました通り、次回の纏まった量の文章更新は、DT四章絡みになります。
(WVNは、場繋ぎの小ネタという扱い。豆腐を作る時におからが出るのと同じで、陵辱小説を書いていると、WVNの文章も出てくるのです)
 おそらくは、前編(ミーティがランセリィを縛り終えて、それを一通りギルバが犯し抜くまで)、40字×36行換算で、100頁程度。
 ……何で、前編だけなのに、本一冊分ぐらいあるの……?(困惑)

・悪いお知らせ
 前編に、ヴュゾフィアンカの出番はありません。
 最後に、ちょっと乱入してくるくらい。
 
posted by 謡堂 at 08:03| 雑記

2014年12月06日

ヴュゾフィアンカ・バッドニュース '14 12/6

 
・良いお知らせ
 また暫く更新、途絶えます。
 ネットに駄文が増えませぬ。

・悪いお知らせ
 ひとまず、それなりに纏まった量の文章をUPいたしました。
「アムリタの淫濁」の、ヒロインの身体描写が終わるまで、です。
 うん。違う。そっちじゃない。ごめんなさい。

【ファイルへは、こちらの記事から、どうぞ】

 描写がくどいという自覚はあるのですが、書かないことには、その要素は存在することになりませんし……。とはいえ、設定の羅列になっても読む気は起きないでしょうので、アクションなども絡めつつ――。そして、ますます描写と文章量が増えていく、悪循環(変えるつもりは、ありませんけども)。
 しかも、今回は武装等が特殊なので、描写の順番がセオリー通り(上から下へ)では無いという。
 もしも、読んでいて頭に入ってこない部分などございましたら、申し訳ありませんです。

 次回の纏まった量の文章更新は、DTの四章絡みです、と言って、自分を追い詰めておきませう。
 場繋ぎに小ネタをUPすることは、あるかと思います。
 それでは、これにて。
 
posted by 謡堂 at 21:21| 雑記

2014年02月08日

更新報告

 
 記事の頭数というか、文章の面積的に、
 そろそろ何のサイトだか分からなくなって参りましたが、
 エロ文も追加しております。
 時期的に、褐色の贈り物、的な?(どうも褐色肌の描写に気が回っていないですけれども)

 【記事リンク】

 フォントは二つ用意してみました。
 こっちの方が読み易い、好き、もっと別のフォントが良いなどございましたら、
 お聞かせ願えましたら幸いでございますです。

 ではでは、これにて。
 そして、また暫く更新途絶えまする。
 
posted by 謡堂 at 19:15| 雑記

2013年05月12日

サイト名の変更と、副産物。

 
 捕らぬ狸の何とやら。
 将来、DTが完成したら同人誌にするつもりなのですが(OK、永久にしねぇってことか!)、その際にサークル名が「余文墓場」だと辛気臭い、というかイメージが悪くて売れなさそうに思えたので、サイト名を変更してみました。
 前のも、実務的で気に入っちゃぁいるのですけども。

 ノラモルスカ

 くっくっく、どうですか。
 何だか邪神の名前みたいで格好いいでしょう! (`・ω・´) 
 今っ、ここにっ、呪われし我が書殿の真の字(あざな)を解放する!!

 ちなみに意味は、野良+モルスカ(「軟体動物」の意のラテン語、「mollusca」)で、
 野良触手、ぐらいのつもりです。

 ……ええ。
 少しダサいくらいの方が、自己主張が薄くっていいんじゃないですかね。


 ところで、名前を考える過程で、モルスカの綴りを逆読みにしてみました。
 深夜アニメのノイタミナ(「Animation」の逆読み)みたいなノリで。

 ACSULLOM

 アクスロム?

 ……。
 …………。
 ……………………。

 うわお。
 正直、震えが来ましたね。冗談抜きで。
 痺れる程にクール。
 一体全体、どこのブランド名でしょう。

 これは、ちと、自分の名前には勿体ない。

 なので、名称不明だったギルバの犯罪組織……の名前は、もうギルバ一党とかツェルペニク一党とかでいい気がするので、スルーしまして……、そこが表の顔で経営している化粧品会社の名前として、進呈いたしましょう。責任者は、きっとメデューナ。

 メデューナ
「あらん、つまり、海洋生物(軟体生物)から薬効成分を抽出していると謳いつつ、実はギルバ様の粘液から媚薬サンオイルなどを精製して販売しているのでございますね?
 ええ、わたくし共めは美容院としても名を馳せておりまして、有り難くも本店へご来訪下さった見目麗しいお客様方を心を籠めて歓待させて頂きますは、社長にして年齢不詳のクールビューティ――(注:本人のこと)、その設定、乗りました!」

 ミーティ
「えと、何ですか、この設定追加申請書ってのは。しかも、導入後に既存の物と整合が取れなくなった場合の連帯責任者にボクの名前まで。
 くっ、厄介事の予感がするのに、『その収益が組織の資金になっている』とか書いてあると、協力しない訳にもいかなくなりますね……!
 ちょっとペン貸して下さい。せめて、『それが収益源になって資金が潤沢』くらいに修正させて貰わないと割りに合いませんよ……、いや、いっそ、『それが当たって資金力が裏社会でトップクラス』ぐらいまで書いてしまっても?
 あ、ボクは暗殺関係の統率で忙しいですから、会社のことは全部自分でやって下さ――いねは無理ですね。うん、言わなくていいです。仕方ないな、経理くらいは手伝いますよ……」

 メデューナ
「きゃあああぁぁぁっっ!! ミーちゃんっ、大好き!!
 あとあとっ、媚薬サンオイルは、女性が女性に使わないと効果が出ない方向で、一つ!」

 ミーティ
「はいはい……」


○以下蛇足

 審議委員会議長R
「好きこそ物の上手なれ、とも言うしなぁ。陵辱者が一般愚民共を相手にしたら、そりゃあ虜に出来るだろうさ。あぁあぁ、商品が有れば立ち上げくらいは可能だろうし、原材料は独占、世界観を考えたら繁盛もするんだろうよ。……糞っ、他人が利益を上げる話など腹立たしいだけだというのに、通さざるを得ん!
 だが、最大限に譲歩しても『暗殺部門の収益と併せて少し羽振りが良い』止まりだ、阿呆ぅ。蝦蟇の油売り如きで、そうぽいぽいと財源が確保出来て堪るか!
 だいたいだな、いくら物量自慢の触手の親玉だろうと一匹では生産量に限りがあろう故に必然的に売り上げも微々たる物に――、いや、需要はありそうなのに品が少ないということは、希少価値が出て高級品扱いに――? ガアァァッッ、畜生!!
 はっ、ははっ! 全くもって素晴らしい! 部下が有能で大変結構なことだな! 苛つくから、そんな所で余計な顔出しをしているメデューナとやらの敵対者からの被襲撃率を、審議委員会権限で3倍に引き上げることとする! 諸君、異議は!」

 審議委員Z
「10倍にし給え。ならば異議無しだ。しかし、だ。寧ろ、あの組織にギルバというのは何の役に立っているのかね。ヒモか。手のかかる大きなペットか。出来て女衒だろうに」

 審議委員V
「あーら、抗争の時の鉄砲玉とか、普段の陰湿な嫌がらせとか、縁の下の一番下には欠かせない御存在らしいわよーぅ。犬みたく企業機密を『取って来い』させられている最中に、弱っちぃ人間を甚振って無駄な恨みを買う小物チックで雑用臭いお仕事も、きっと部下には委ねられない大任なのよねーぇ? あらあらぁ、なぁにぃ? 触手団子。身内の申請だから投票権の無いお前に、何か反論があるのかしらーぁ! アッハハハ!! ピラミッドの土台がぴったりの鈍くてでっかい図体だわ!」

 審議委員G
「ギギィ……ッッッ!!!」
 
※考え過ぎで勝手に設定を補強していって下さる参謀閣下と、眷属の設定を通して貰う為に、歯を食い縛って、ぐっ、と堪えるギルバ様でありましたとさ。
 
posted by 謡堂 at 02:18| 雑記

2012年05月17日

ヴュゾフィアンカ・バッドニュース '12 5/17

 
・良いお知らせ
 念願の コメントフォームを 設置致しました。
 これで漸く、「最近のコメント」欄に「web拍手」しか置いていない、賞讃しか求めてなさそうな痛い人から脱却ですよ! イェイ!
 ……ええ。本当に、大変長らく御不便をお掛けして参りました……。

・悪いお知らせ
 (´・ω・`)つ「石」
 
posted by 謡堂 at 17:16| 雑記

2012年03月17日

ヴュゾフィアンカ・バッドニュース 来年用おみくじ付き

 
「私のタロットは真実しか語らないけれど、ちょっぴり悪い方向に拡大汚染しちゃうの。
 それでも良ければ、このサイトの未来を占ってあげるわ。
 
 あら、遠慮しないで?
 占ってあげる」

 そう嘯いた凶鳥は、慣れた手付きで『貪欲呪栞(グリーディ・タロット)』をシャッフルし始めた。常人にも視認できる程の瘴気を立ち昇らせているそれは、有り体に言ってしまって、剥き出しの罠である。
 やがてテーブルに、伏せられた二十二枚の破滅が、扇形となって広げられた。

「There are two sides to every story. 禍福は双面の狼であることを見せてあげるわねーぇ?」

 どうやら、貴方は、そこから二枚の札を選ばなければならない。
 きっと忌まわしい暗示が、希望も絶望も等しく引き裂くことだろう。

 刻は満ちている。
 運命に指を伸ばすも、拒絶して席を立つも、心のままにすると良い。
 どのみち、避けられない。
 訪れる者は必ず訪れ、堕ちる涙は堕ち、沈む銀月は必ず沈められるのだから。

 薄く微笑んだ凶鳥は不気味な沈黙を守り、じぃっと貴方を見詰めている。








○おまけ 2013年用おみくじ

「ん〜、辛気臭い話題だったわねーぇ。
 さて、近報の用事も済んだ所で、正真正銘、とっても良いお知らせよー。
 来年は巳年、私の尻尾の支配する年だわ!」







「うふふ、五年後の酉年は私の翼の年だし、祖先が同じ狼を犬だと言い張れば、六年後の戌年だって私の髪型が支配する年ねーぇ!
 あらやだ、干支の四分の一を制覇しているじゃなーい。

 そんな私に吉凶を占って貰えるだなんて、お前は、とんだ果報者」

 そう言うと凶鳥は、ケープマントの懐から、徐(おもむろ)に六角柱状の御神籤箱を取り出した。
 妖しげな陶器製だ。濃紺を基調にしつつも、光の加減によって次々と色合いを変えている。その表面に描かれた、この世では見たことも無い奇怪な星座達が、心が吸い込まれそうな程に明るく輝き踊っていた。
 中からは、ガラガラと鳥の骨が、ぶつかり合うような、不可思議な音がしている。

「占いって、人のを見ていても、つまらないじゃなーい。
 これで私達、魔物は、サービス精神旺盛なの。

 大丈夫よーぉ、手加減してあげるから。
 グリーディ・タロットでじゃなくって、この星令箱で占ってあげる」

 外観は気にしなくていいと、彼女は囁く。
 これは只の、雰囲気作りなのだと。
 もっとも、魔に所持された物品は、それだけで本人の性質に侵されていくものであるが……。

 妙に機嫌の良いヴュゾフィアンカは、随分と貴方の運命に触れたいらしい。
 陶器の箱が、俄(にわか)にしっとりと、女の肌のような生々しいぬめりを帯びた。
 堰を切ったように星の並びが表面を流れ出し、時折ゆらゆらと、翼を広げた悍ましい怪鴉の影がよぎっては、嘴でそれらを追い掛ける。まるで異界の宇宙の光景を、ヘキサゴナル・プリズム(六角柱)状に縮小・投影し、覗かされているかのようだ……。

「さぁ、振るわよー。覚悟は良いかしらーぁ?

 さぁさぁさぁ!
 早く決断しないと、ベイン・レイブンが、お前の星を啄んでしまうわ!」

 忘れてはならないことがある。
 相手の同意を得た途端に猛威を振るう呪術が、幾つかあることを。
 何故彼女は、貴方のことを占いたいと訴えつつ、さっさと箱を振ってしまわないのだろうか? 「相手が頷くのを待つべきだ」などという気遣いが、どんな言を弄した所で、凶鳥ヴュゾフィアンカにあろうものか!

 勿論、貴方は、こんな不愉快な女は放っておいて、逃走を図ってしまっても良い。
 しかし、己の運気に邪を撥ね除ける程の自信があるならば、彼女の鼻を明かしてやるのも一興だろう。



(確率: 吉5% 末吉10% 凶15% 末凶25% 大凶45%)
 ゾ「末吉は吉より悪いのに、末凶も凶より悪いのよねぇ。変なのー」



(逃走成功率20%)
 
posted by 謡堂 at 10:45| 雑記

2012年01月05日

【震災関連】 家具転倒防止棒

 
 家具転倒防止棒の設置の仕方に関する話題です。

 要点だけを先に述べますと、

 nigata.jpg

 こう設置していたら東日本大震災の時に真横(写真では手前)に棒が倒れてきたので、


 itigata.jpg

 こう、足の甲が互い違いになるように(上から見た時に十字になるように)設置した方がいいのかもしれませんね、という話になります。


 以下、もう少し詳細に、というか、冗長に。

 一応、自称が物書きなので部屋に本棚が多く、倒れてきたらかなり洒落にならないので(方向によっては出入り口が塞がったり、就寝時なら頭蓋骨やら足やらを大袈裟でなく骨折……)、日頃から転倒防止棒を設置しておりました。
 ところが、東日本大震災の折、見事に上記のようになりまして。
 危ないから写真二枚目のように設置したらどうかな、と(ちなみに、その時の私が住んでいる地域での震度は、5の強か弱)。メーカーの説明書きには、そういった事は書いていなかったので自信が無かったのですが、幸か不幸か、元旦の地震(震度4)で検証が出来ましたので、記事にしてみましたり。
 またもや、写真一枚目の設置の仕方の棒は倒れてしまいました。写真二枚目の設置の仕方の棒は、ずれて多少位置が変わりつつも、無事に務めを果たしておりました。

 おそらく倒れた一番の原因は、使っている内に接地面と天井の間に隙間が空いていたからでしょうし(これは説明書きにも書いてありました。定期的にチェックが必要なのだそうな)、そこをクリアしていれば問題は無かったのでしょう。
 しかし、前述の理由で、私は結構気にしてチェックしていたんですよね(……半年に一回ぐらい?)。震災前にも元旦前にも、「う〜ん、ちょっと隙間があるな。でも、このくらいなら用は果たすだろう」と思っていたのです。若干、設置し直すの面倒、とも思っていたことは否定しません。
 それでも倒れてきた理由には他に、地震で家具(やら建物やら?)が揺れたこともあるのではないかと愚考する次第です。本棚が左右に振れたら、側面などが傾いた分背丈が低くなって、転倒防止棒と天井の間に元からあった隙間が更に広がりますよね? 私の使っている本棚の大半は、ニトリで二千円前後で買えるような組み立て式の物なので、震度が高いとヘビメタばりのヘッドバンキングを見せてくれるのです。
 という訳で、使用者がずぼらでも、家具がゆっさゆっさ揺れても踏ん張ってくれる、写真二枚目のような設置の仕方の方がいいのではないか、という話をしてみたく、筆を執らせて頂きました。一番いいのは、足の裏が「|」型ではなく「+」型になっている転倒防止棒を使うことのように思いますが、店で見たことないですねい。

 以上、素人考えなので責任は負いかねますが、何かの参考になれましたら幸いです。
 場所が条件を満たしていれば、それ自体が倒れることは無さそうな、転倒防止チェーンや金具もありますね。

 んでは、今年一年と言わず、末永く皆様の無病息災を祈りつつ。
 
 もし、「待て、そんな設置の仕方をしたら、それこそ大惨事になる。人に見せるんじゃない」というご指摘等々がございましたら、真にお手数ですが、右側の「web拍手」から頂けましたら幸いです(コメントフォームの設置は勉強中です)。
 
posted by 謡堂 at 21:08| 雑記

2012年01月01日

辰年とパルセイズ

 
 ハン、あけたらしいわね。おめでと。
 そっちの調子は、どう?
 こっちは一人で酒を呑み過ぎるからって、裏竜宮の新年会を追い出されてきたところよ。
 こんなことなら遠慮しないで、もう五、六斗、樽を空けておくんだったわ。
 ……それと、半龍半魔の半チクショウ、だとかかんとか、からかってきた奴らは、後で念入りに消し炭に変えてやる。無礼講? ハン! そんなものが許されるのは、天上天下にただ独り、このあたし様だけよ!

 しっかし、辰年ねえ? 頭に龍の角を生やしてたら、気の利いた役得でもあんの?
 何かを自由にしていい裁量とかさ。
 そうだ、酔い醒ましに、今年のあんたの運勢を決めたげる。
 いいじゃん、こんな時に抵抗するもんじゃないわ。
 今から賽を二つ振るから、あたしが丁半どっちに張るか、当ててご覧なさいよ。
 正解したら、今年の運気は絶好調。間違えたら、絶不調。
 人間にも理解できるぐらい単純でしょ?
 さあ――、いくわよ(コロコロリ)。


 簡単すぎるヒント: パルセイズの口癖 (←左クリック&スクロール)

 答え: 半(ハン!) (←左クリック&スクロール)
 
posted by 謡堂 at 17:07| 雑記

2011年09月23日

表記ミスの訂正

 
 記事「魔が堕ちる夜 十子詳細 T〜X」の表記ミスの訂正です。

 ネイフェレムん所の、「キエクスライ・シェラ」という表記。
 卓上に飾ってある「GIGA COLLECTION」の御本人のトレカや、すぐ取り出せる位置にある「パソコンパラダイス総集編7」(用途は聞かないであげて)の記事で「シェラ」と表記されていたので、そうしていたのですが、一次情報が気になってPCエンジン版とサターン版の「STEAM-HEART'S」を引っ張り出し、説明書のキャラクター紹介を確認してみたところ、実は「シエラ」が正解のようです。
 トレカに名前と同時にアルファベットで「SIERRA」と表記されていたので(両説明書にも)、「あれ、これってシエラじゃないの?」と気にはなっていたのです。いたのですよ。いたんだってば。
 ちなみに、公式HPは、もう無いっぽく、移植元のPC版は、当時パソコンを持っていなかった為に、所持しておりません。故に、そちらでは確認せず&出来ず。

 という訳で、そこの部分を「キエクスライ・シエラ」と修正いたしました。

 ……しかし、今の今まで名前を間違えたままだったなんて、俺は本当にこの人のことが好きなのか…… orz。
 
posted by 謡堂 at 19:16| 雑記

おそらく誰にも望まれていない部分を

 
 更新してみましたり。
 web拍手のお礼絵が、一枚増えました。


 ちなみに、ずぅぅっと昔に、とあるトレカ作成ネトゲをやっていた頃に描いた絵ですので、今の作業時間は要しておりません。
 また、DT四章に最終決戦を挑むので、当分の間、更新途絶えます。



 ――それが私の姿を見た、最後だったのです。
 
posted by 謡堂 at 08:26| 雑記

魔界勢力録 :怪物忍者の集団×2(ジャンクパーツ)

 
○地兌魑一族 (ちだちいちぞく)
 「我ら、大地に耳目を持つ、すだま(山林の精)也」(諜報に長けている)、と謳う忍び衆。
 「兌」は「目耳口鼻などの穴」の意味。また、易の八卦の一つ。「魑」は「すだま、山林の精」の意味。魑魅魍魎の魑。
 印象的には、陰陽なら陰、水遁、土遁、山岳地帯に潜む獣、といった系統の忍びが多く所属している。

○天跋衆 (てんばつしゅう)
 「我ら、お天道様の目すら欺いて、如何なる場所をも踏み越える」(侵入はお手の物)、と豪語する忍び衆。
 「跋」は「(山野を)踏み越えていく、飛び跳ねる」の意味。跳梁跋扈の跋。
 印象的には、陰陽なら陽、火遁、金遁、大空を自由に羽ばたき回る鳥類、といった系統の忍びが多く所属している。
 別名、天下大道跋扈衆。

※天地は犬猿の仲

○両者に所属する上忍たちの号(一部)
 祟笞軒 (すいちけん/「笞」は「(竹の)むち、鞭打ち(刑)」の意味)、
 傾国院、春楽荘、憎骨院、宵戯庵

・他、キーワード
 朱鶴 (あけづる)
 忌術、荒憑蟲(あらづきむし)
 切っ先と柄頭が亀頭の形状をしている、男根型の木刀(旧名:弓削刀)

・閑話
 DT二章に出てきた昆虫忍者のシュイ=ヘルトさんは、地兌魑一族……かも。
 
posted by 謡堂 at 06:29| 雑記

馬子にもPDF

 
 いんや、寧ろ逆に、見易くなったことで、かえって悪い所が目立つようになるのかしらん。

 何はともあれ、今までHP形式のレイアウトの不味い文章を我慢して読んで下さっていた方々は、大変有り難うございます、そして、真に申し訳ありませんでした。本日、HP形式で公開していた小説を全てPDF化し(β版は除く)、リンクなどを追加いたしましたので、ご報告申し上げます。

 PDF版の方は、目についた誤字脱字・悪文等を修正したり、少し句読点を足したりしています。また、一度公開した物を後になって修正するのには、ちょいと抵抗がありましたのと、今の感覚が当時より正しい保証もございませんのとで、旧形式版は、そのまま残してあります。

 読んでいて、つっかえるような所は、大分無くなったかと自負しているのですが、如何でございましょうや?


 ちなみに、ご意見ご感想、お叱りその他諸々を送信し易くなるコメントフォームの設置は……、…………、…………どうしたもんかなぁ、と(マテ)。
 管理人は、DT四章をUPして、(置いてある物の分量的に)胸を張って凌辱官能小説サイトを名乗れるようになってから、と考えていたのですが、サイト作成から大分経ってしまっていますので、そろそろ設置しないと義理を欠くかとも思ってみたりみなかったりしております。
 とりあえず現状は、お互いのメールアドレスを教えなくても済むような感じなのを、時々探しては見つからなくて(目に入っても気づいていないだけか?)首を捻っているような段階です。
 ……いや決して、一応WEB拍手があるので、急がなくてもいいかなー、などとは。
 
posted by 謡堂 at 06:09| 雑記

改めまして、三章PDF版UPのご報告をば & クリノリンの話題

 
 励ましの御言葉等に胡座をかいて、随分と時間を使っておりましたが、DT三章PDF版、めでたくUP出来ております。

 クリノリンの構造は二週間ぐらいで出来ていて、後はひたすら、それが可能そうかの考察や資料収集と、明らかに責め役のスカートの構造描写なんぞ求めていない場面へ如何にしてソレを突っ込むかの推敲を、延々と続けておりました。
 まぁ、構造に関しては、不可能ではない、ぐらいの精度でよいと思うのですけども。

 ところで、唐突ですが、スクラッチ・クイズです。
 次のヨウドウ語を、一般的な日本語に翻訳すると、どのような意味になるでしょう?

『もう少しかかる = 一件の問題が解決されるまでかかる (←左クリック&スクロール)』

 ……。
 …………。
 ………………うん。
 キャラクターの描写 ≧ 読者への義理、が彼のジャスティスらしいんだ。
 震災以降、読者の存在を慮っているような文章が多かった気がするけれど、本性はこんなもんダヨ。
 『出来る限り近い内』にコメントフォームを設置するつもりだそうなので、その際に「石」と書いて送ってみるのはどうだろうか?

(ついでに気が向いて、ご感想等もございましたら、お聞かせ願えましたら幸いです。
 特に、追加した部分が違和感なく前後と繋がっているかなど、気になっておりますです。
 また、これまで既にご感想を下さった方々は、大変ありがとうございましたっ)


・クリノリンと藪蛇と、文字(二次)情報の限界と
 
 記事「う゛ ぬ゛ ぬ゛ ぬ゛ ぬ゛ (魔が堕ち4 DT)」('11 7/4)に関する補足と、自分の誤解の訂正なのですが、まずは補足から。
 実は「膝を崩して座った」り、「街灯に」「腰掛け」たり出来そうなクリノリンというのは、歴史上に存在していたようです。あえてアバウトに構造を述べると、フラフープを縦に並べて、布テープを何本か垂らして繋いだような感じ(おそらく、こんなの「http://xxxegxxx.shop-pro.jp/?pid=18420106」「http://pcw-corset.ocnk.net/product/22」)。
 なので、このタイプなら、縦の布テープの部分が柔らかければ、膝を崩して座ることも何かに腰掛けることも出来たんじゃないかな、と。
 ちなみに服飾史の本などによると、それまでスカートを大きく膨らませる為に何枚も重ね穿きしていたペチコート(アンダースカートの一種)がやたら嵩張って重かったので、フープなどを入れて軽量化を図ったのが、クリノリンの始まりなのだとか。

※参考文献
・西洋服飾発達史 現代編 / 丹野郁 著 / 光生館 / 1965年
(改訂版として、「服飾の世界史(本編・資料編の全二巻)/白水社or日本図書センター」有り。そちらは未読)
・西洋服飾史 図説編 / 丹野郁 編著 / 東京堂出版 / 2003年
・西洋服飾史 増訂版 / 丹野郁 編 / 東京堂出版 / 1999年
・[カラー版]世界服飾史 / 監修 深井晃子 / 美術出版社 / 1998年
・下着の誕生 ヴィクトリア朝の社会史 / 戸矢理衣奈 著 / 講談社選書メチエ / 2000年
 他諸々

(いかにも、「お前、『服飾史』で検索して出てきた本を読んでいっただけちゃうんか」、って風なラインナップですが、一応、あちこち歩き回って調べ直した結果です。見つけられた&読めた限りでは、類書に比べ、これらの本が一番クリノリン関係の記述が詳しかったかなと。そして、おそらく正道な物だと思われ。……もしも別に、クリノリンだけで一冊丸々使っているような、そのものずばりな本などをご存じでらしたら、宜しければ、こっそりと当方に教えてやって下さひませ。何卒。あ、後、小説の資料に良さげな本とかも(オイ))


 で、私はここを誤解していたのですが、鳥籠型の内、縦骨も横骨も硬いような総鉄製(便宜的に、こう呼びます)のタイプが、吊りテープ型(こちらも、便宜的に、こう呼びます)の発展進化系であるということは、特になかったようです。
 両者が混在して存在していて、参考文献に載っていた図の多さなどを見た感じ、どちらかというと、吊りテープ型が主流で、総鉄製の方がバリエーションの一つとして位置していたような印象を受けてみたり。
 私はてっきり、総鉄製がクリノリンの最終進化形だと勘違いしていたから、前の記事で吊りテープ型をガン無視して話を進めていた訳なのですね。「宅のヴュゾフィアンカちゃんは、古いモードのクリノリンなんか、身につけないのザーマス」ってなノリで。

 ……てことは何か。元の文章も、(本人に知識も吊りテープ型のつもりも無かった以上アウトではあるけれど)結果的には間違いではなかった訳か。「クリノリン」が吊りテープ型も(を?)指す言葉であった以上。
 つまり二重に恥を晒していた訳ですネーッ!! モットシッカリ調ベテカラ報告スレバ良カッタジャナイデスカァーッ! ヤダーッ! ……鬱過ぎる。

 「誤解してました。クリノリン、膝を崩して座れると思います(てへっ☆)」とでもして、その部分の修正はしないでとっととUPしようかとも考えましたが(※その時点で自動的に、ゾフィアのクリノリンは吊りテープ型ということになる。どんなタイプかの明確な表記はしていなかったので、普通にそれは可能)、どうにも吊りテープ型はヴュゾフィアンカに似合わない気がしてならなかったので(しゃがんだ時に、末広がりの提灯を畳んだような感じになるだろうのが、ちょっと……)、結局、あくまでも総鉄製を基準に押し通しました。
 後、ほら、ゾフィアが穿いているのはサーキュラー・スカート(縦にプリーツ[折り襞]が入っている)だから、吊りテープ型(横方向に硬くて、縦方向に柔らかい)だと、しゃがんだ時に向きが合わない気がしますですし。
 はたして、「縦骨が硬めで、横骨が柔らかめ」、というクリノリンが存在していたのかどうかは不明ですが、まぁ、実在しなくても(小説的には実在しない方が)良いのです。
 きっと魔界の服飾史は、人界とは違った発展経路を辿ったのでありましょう。


 ところで、総鉄製のクリノリンで「膝を崩して座った」り、「街灯に」「腰掛け」たりすることは無理そうとして、吊りテープ型のクリノリンでは、実際どうなのでしょう?
 可能前提で話をしておりましたが。
 苦心しながらも、腰掛けることは可能だったっぽいです(「下着の誕生 ヴィクトリア朝の社会史」P34-35、「服飾の歴史をたどる世界地図」P64 ※両方とも、吊りテープ型での話だという明記はないが、前後の流れから、そうだと考えるのが妥当と思われる?)。やっていた以上は、衣裳もそんなに傷まなかったと解釈して良いのでは、と。体重次第か。
 しかし、しゃがむことが出来たとの記述は、出典の明らか、明らかでないに関わらず、ネットも含めて一つも発見できず。(クリノリンを穿いていると)しゃがめなかったという記述はネット上に多かったものの、吊りテープ型での話だという明記は無し。
 結局、その部分の調べ物は不首尾・不明瞭でした。
 イージーに構造から推論するに、しゃがめておかしくなかったとは思いますけれど。
(そして、これ「http://xxxegxxx.shop-pro.jp/?pid=15891682」の最下段の写真なんかは、もう殆ど「膝を崩して座」れる根拠にしちゃっていいだろうと思うものの、内部の構造が分からない為に断言ができないという)
 ……博物館の収蔵品なり、現代の復刻品なりを、自分で触ったり穿いたりしてみれば一瞬で解決する疑問の為に、どうしてこんなに非効率的な方法で遠回りをしているんだろうと、ふと悩まないでもなく。

 つくづく、「百聞は一見に如かず」だということを思い知らされつつ、記事を終えます。
 ちなみに、だったら一見して来いよ、って話なのですが、実行しようとするとかなり金銭コストがかかりそうだったので、二の足を踏みました。
 うーむむ。ここまで書いてきたこと、間違ってないといいなぁ。
 
posted by 謡堂 at 02:48| 雑記